診療内容

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不妊症検査

不妊症検査(初診時)

貧血、肝・腎機能などの全身状態、抗ミュラー管ホルモン、クラミジア抗体などの採血を行います。また月経中にホルモン基礎値の採血や、月経終了後に卵管の通過性や子宮内にポリープなどがないかを通水検査で確かめます。

  • 女性

    女性
    • 血液検査(1)
      ¥28,070
      AMH
      抗ミュラー管ホルモン(AMH)現在育っている卵胞ではなく、将来育つ小卵胞から分泌されるホルモンで卵巣の予備能を表します。
      抗精子抗体
      まれに精子の動きを悪くする抗体を産生する女性がいます。人工授精や体外受精が必要になることがあります。
      感染症(H I V、梅毒、B型肝炎、C型肝炎)
      万が一感染していたら、適切に治療する必要があります。またパートナーや接触のある人、さらに妊娠した場合には赤ちゃんへの対策も必要になります。
      風疹抗体価
      妊娠初期に風疹にかかると胎児が先天性風疹症候群になることがあります。抗体がなかったり、抗体価が低い場合には妊娠前にワクチンを接種することをお勧めします。
      クラミジア抗体IgA,IgG
      クラミジア感染症は腹痛の原因になるばかりではなく、卵管癒着や狭窄を起こし不妊症の原因になります。陽性の場合抗生剤の投与が有効です。
      貧血・肝機能・腎機能・凝固能の検査
      現在健康状態に問題がないか、妊娠する前に治療しておくことはないかを一通り調べます。
      血糖
      血中のブドウ糖の濃度です。高血糖だと月経不順などを起こし、不妊の原因になります。また、高血糖のまま妊娠すると赤ちゃんの先天的な病気の率が高くなります。
      ホモシステイン
      ビタミンB(葉酸、ビタミンB6、B12)が不足すると悪玉タンパク質であるホモシステインが増加します。高ホモシステインは脳卒中、心臓病の原因になるばかりか、胎児の病気(神経管閉鎖障害)に関係しています。葉酸などビタミンB摂取でホモシステイン値が減少します。
      血液型
    • 血液検査(2)
      自費料金/¥8,690
      保険適用料金/¥2,370
      性腺ホルモン検査
      月経周期初期(2〜5日目)の卵巣機能に関係するホルモンの値は、卵巣予備能の指標になったり、排卵障害の診断に役立ちます。
      プロラクチンは高値になると、月経不順、無月経、乳汁漏出の原因となります。
      甲状腺ホルモン検査
      甲状腺ホルモンは排卵障害や流産と関係があります。異常値があれば専門医による診察、投薬が重要です。
    • 超音波検査
      ¥3,500
      子宮・卵巣に子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気がないかどうかを調べます。また、卵胞の大きさを測り、排卵日を推定します。
    • 卵管通水検査
      自費料金/¥7,000
      保険適用料金/¥1,910
      子宮腟内にバルーンカテーテル(小さな風船の付いた細い管)を挿入して、経腟超音波で生理食塩水が卵管の方向に流れていくか、子宮内にポリープなどの病変がないかを調べます。
  • 男性

    男性
    • 血液検査
      ¥11,790
      感染症(H I V、梅毒、B型肝炎、C型肝炎)
      万が一感染していたら、適切に治療する必要があります。またパートナーや接触のある人、さらに妊娠した場合には赤ちゃんへの対策も必要になります。
      クラミジア抗体IgA,IgG
      尿道のかゆみ、痛み、排尿時痛などを起こします。女性に影響を及ぼすこともあります。
      亜鉛
      亜鉛は人体に必要な元素です。欠乏すると、脱毛、性成熟の遅延、認知機能などに影響します。精巣の機能や精子の生成にも関係しています。
      血液型
    • 精液検査
      ¥310

      精子の数や運動率を検査します。

      WHO基準値
      精液量 1.4ml以上
      濃度 1ml中に1,600万以上
      総運動率 42%以上
      白血球 1ml中に100万個未満

子宮鏡

子宮腔内に細いファイバースコープを挿入して、ポリープ、子宮筋腫、慢性子宮内膜炎がないかを調べます。

費用
¥8,800

子宮鏡下選択的卵管通水

子宮鏡下選択的卵管通水検査は不妊症の原因として考えられる卵管の閉塞や狭窄を診断するための重要な方法です。子宮腔内に細いファイバースコープを挿入して、子宮内の観察と左右の卵管内にカテーテルを挿入し、色素を注入して逆流の有無により通過性を見る検査です。

費用
¥34,020

不育症検査

流産ないし死産の既往が2回以上ある場合に、不育症と診断されます。抗リン脂質抗体症候群や血液凝固異常で起こることがあります。血液検査でこれらの疾患について調べます。

  • ・抗リン脂質抗体症候群検査

    抗リン脂質抗体があると血液凝固が亢進するなどのために流産が起こると言われています。アスピリン、ヘパリンの投与が有効です。

  • ・血液凝固能検査

    血液凝固能の亢進は流産の原因になります。

    費用
    ¥22,000
  • ・ビタミンD検査

    ビタミンD欠乏症では流産率が高いという報告があります。

    費用
    ¥6,600
  • ・カップルの染色体検査

    カップルのいずれかの染色体の変化(均衡型構造異常)があると一般的な流産率より高くなります。検査の施行前後に遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。

    費用
    1人 ¥40,000

遺伝カウンセリング

着床前診断、出生前診断について理解して決断できるように一緒に考えていきます。また家系内に遺伝性が疑われる疾患の方がいる場合の児への影響などについての相談にも対応しています。

遺伝カウンセリングの流れ

最初の外来受診時(またはお電話にて)には、相談内容についてお話をお伺いいたします。後日カウンセリングを行います。(最初にお話を伺ってから1週間以降に予約をお取りください)

  1. 1
    ご予約

    ご予約は電話予約がございます。

    phone029-863-6111
  2. 2
    ご来院

    最初の外来受診時(またはお電話にて)には、相談内容についてのお話を伺います。

  3. 3
    カウンセリング

    後日、カウンセリングを行います。(最初にお話を伺ってから1週間以降に予約をお取りください)

費用
30分以内/¥5,500
60分以内/¥11,000

プレコンセプションケア/ブライダルチェック

今妊娠を望んでいる女性だけではなく、妊娠可能年齢の女性やカップルを対象に、将来の妊娠のために現在の健康状態のチェックをします。例えば、風疹、麻疹、水痘の免疫が無い場合には、妊娠前に予防接種をしておくことが推奨されています。それぞれの目的や対応などを理解してから検査することが重要ですので、最初に医師による問診を行っています。 検査結果は1週間以降にお話しします。 自分の健康状態を知り、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。
①適正な体重を維持しましょう。
標準体重(㎏)=身長(ⅿ)² ×22
例)身長160㎝の場合 1.6×1.6×22=56.3㎏
②日常的に体を動かす習慣をつけ、十分な睡眠時間(6時間以上)の確保に努めましょう。
③喫煙や受動喫煙を避け、飲酒やカフェインを控えましょう。
④葉酸摂取の重要性を知りましょう。
葉酸は胎児の脳や神経系がつくられるときに必要な栄養素です。厚生労働省は妊娠を望む女性に食品や栄養補助食品(サプリメント)から1日400㎍以上の葉酸摂取を推奨しています。積極的に取り入れましょう。 検査結果や将来の妊娠について、不安なことや質問、疑問があれば医師や看護師による無料の相談も行っていますので、ご活用ください。今こそプレコンセプションケアを始めましょう。

プレコンセプションケア/ブライダルチェックの流れ

  1. 1

    WEB予約、お電話にてご予約ください

    icon
  2. 2

    問診

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  3. 3

    検査(同日):
    血圧等の測定、
    採血、検尿

    icon
  4. 4

    結果の説明

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    翌週以降

プレコンセプションケア/ブライダルチェック検査項目・費用

  • 女性

    女性
    測定
    肥満度(BMI)・血圧
    無料
    血液検査(A)
    貧血・白血球・血小板・血清鉄・凝固能・肝機能・腎機能・脂質代謝・糖代謝・甲状腺機能・梅毒・B型肝炎・C型肝炎・クラミジア・ホモシステイン
    ¥25,750
    血液検査(B)
    麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ
    (ムンプス、流行性耳下腺炎)
    ¥12,960
    検尿
    無料
    内診
    子宮頸がん検査
    ¥3,670
    経腟超音波検査
    ¥2,500
    血液検査
    抗ミュラー管ホルモン(AMH)
    ¥8,590
    エイズウィルス
    ¥3,240
    ビタミンD
    ¥6,600
  • 男性

    男性
    測定
    肥満度(BMI)・血圧
    無料
    血液検査
    感染症(B型肝炎・C型肝炎・HIV・梅毒・クラミジア)・貧血・肝機能・腎機能・糖尿病・麻疹・風疹・おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎)・水痘・亜鉛
    ¥37,090
    検尿
    無料
    精液検査
    ¥1,140
    血液検査
    E2・FSH・LH・テストステロン
    ¥6,480

一般不妊治療

普通の生活では、精子と卵子は卵管で受精して、受精卵ができます。この点は変えずに治療する方法を一般不妊治療と言います。
妊娠の仕組みについてはこちらをご参照ください。

タイミング療法

タイミング療法とは適切なタイミング(排卵期)に性生活を行っていただくよう、排卵日を予測してアドバイスします。

タイミング療法の流れ

  1. 01

    月経3〜5日目よりフェマーラまたはクロミッド(排卵誘発剤)を5日間内服します。排卵誘発剤を使わない場合もあります。

  2. 02

    月経10-16日目に受診し経腟超音波検査にて卵胞サイズを計測します。卵胞サイズが18-25mmになる日を目安に性交渉を数回持つようにアドバイスします。hCG(排卵誘発剤)を用いて排卵を促す場合もあります。

人工授精

人工授精とは子宮内に精液を注入する方法です。卵胞モニタリングを行い、排卵日もしくは排卵周辺期に実施します。精漿中の細菌、白血球、炎症性物質(プロスタグランジン)を含む精漿を除去して、精子だけを含む溶液(精子浮遊液)を作成します。人工授精用カテーテルを静かに子宮内に挿入し約0.4~1mLに調製された精子浮遊液を注入します。

人工授精の流れ

  1. 01

    月経3〜5日目よりフェマーラまたはクロミッド(排卵誘発剤)を5日間内服します。排卵誘発剤を使わない場合もあります。

  2. 02

    月経10-16日目に受診し経腟超音波検査にて卵胞サイズを計測します。卵胞サイズが18-25mmになる日を目安に人工授精の日を決めます(超音波検査の翌日、翌々日になど)。hCG(排卵誘発剤)を人工授精の前日か当日に用いて排卵を促すことが多いです。

人工授精

料金

人工授精
¥5,460〜

生殖補助医療

ヒトの卵子、精子、胚を体外で扱う全ての治療をいいます。体外受精、顕微授精、胚移植、胚凍結、卵子凍結などが含まれます。当院には生殖医療専門医が常勤していますので、先進医療も行うことができます。 先進医療とは高度な医療で将来の保険適用を目指して評価を行うものです。先進医療は自費ですが、保険診療と組み合わせることができます。

体外受精の流れ

  1. 1調節卵巣刺激
  2. 2採卵
  3. 3受精・培養
  4. 4胚凍結
  5. 5胚移植

1調節卵巣刺激

  • 低刺激法
    マイルド法
    内服薬(クロミッド、レトロゾール)で卵巣を刺激する方法で、採卵できる個数は多くありませんが、合併症は少ない方法です。
  • 高刺激法

    ゴナドトロピン注射(FSH、HMG)を使用して多数の卵胞を育てます。多数の卵胞を育てようとすると、1つ1つが未熟なうちに排卵してしまいます。そこで排卵を抑制しながら刺激する必要があります。抑制する方法により以下があります。

    アンタゴニスト法
    誘発途中から排卵を予防する注射(GnRHアンタゴニスト)を使用する方法です。
    プロゲスチン併用法(PPOS)
    内服薬(プロゲスチン)を最初から内服して排卵を抑制します。
    ロング法
    点鼻薬(GnRHアゴニスト)を前周期から使用して排卵を抑制します。
    ショート法
    点鼻薬(GnRHアゴニスト)を刺激周期の初めから使用して排卵を抑制します。

2採卵

体外受精は体外で受精させるので卵子を体外に取り出すことになります。経腟超音波断層法(エコー)ガイド下に、卵巣にある卵胞に針を刺し、卵胞液ごと卵子を吸引します。そして、顕微鏡下で卵子を探します。

卵子採取の様子1
卵子採取の様子2

3受精・培養

卵子と精子を受精させる方法には「体外受精」と「顕微授精」の2通りがあります。

体外受精
運動性の良い精子を一定の濃度に調整し、卵子と一緒に1つのシャーレの中に入れて培養します。(媒精)
体外受精の様子
顕微授精
特殊なガラスの針を使って卵子に針を刺し、精子を直接注入します(下図参照)。特殊な酵素を用いて卵子の周りについている卵丘細胞を取り除いてから、成熟した卵子に顕微授精を行います。 授精以外の治療は、体外受精と同じです。
顕微授精適用患者
  1. 精子の数や運動率が不良で、体外受精では受精の見込みが低いと予想される。
  2. 精子の数や運動率は十分なのに、体外受精で受精しなかった(受精障害)、または受精率が低い。
  3. 凍結精子を用いる場合は、顕微授精が適用となる。
  4. 凍結保存した卵子を用いる場合は、顕微授精が適用となる。

※注意事項

媒精しても、受精しなければ体外受精はそこで中止になってしまいます。当日の精子の状態が不良である、調整後の精子が良くないなどの場合は、患者さまと医師との相談の上、顕微授精に切り替えることもあります。

4胚凍結

培養した胚は-196度の液体窒素を用いた超急速ガラス化保存法(vitrification法)にて凍結しています。 融解後の胚の生存率が90-95%以上とされていますが、3-5%の胚は凍結のダメージにより変性してしまう可能性もあり、その場合胚移植は中止となります。

5胚移植(ET)

良好な胚を子宮内に戻します(胚移植)。当院では、凍結・融解胚移植を行なっています。胚盤胞を優先して戻しますが、初期胚も移植しています。反復不成功例や胚の状態などを考慮し、新鮮胚移植も実施しています。

アシステッド・ハッチング

卵子は受精したあと約5日目に胚盤胞になり、6~7日目には透明な膜(透明帯)から抜け出します。これを孵化(ふか/ハッチング)といいます。孵化した後、胚は子宮内膜に着床します。
透明帯の一部を薄くすることで孵化を手助けする技術のことを、アシステッド・ハッチングといいます。透明帯が通常より厚かったり、胚を凍結すると透明帯が硬くなるとの報告があり、その場合にはアシステッド・ハッチングが有効です。

体外受精の様子

先進医療

ERA
胚が着床できる時期は限られていると考えられています。子宮内膜の一部を採取して、遺伝子の発現から胚移植の時期がずれていないか、ずれているとすればどのくらいなのかを調べます。
詳細はこちら
EMMA
子宮内膜のラクトバチルスの割合を調べます。ラクトバチルスという菌が多い場合が良好です。
ALICE
慢性子宮内膜炎を起こす細菌がいないかを調べます。
ERA、EMMA、ALICEは同時に調べることが多いです。
子宮内細菌叢検査2(子宮内フローラ)
子宮内の細菌叢を調べます。ラクトバチルスという菌が多い場合が良好です。
子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチング法)
胚移植を行う周期に子宮内膜をスクラッチ(内膜に軽い損傷を与える)とサイトカイン(主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質)が分泌され妊娠率が上がると考えられます。
子宮内膜刺激術(SEET法)
胚移植に先立って胚を培養していた培養液を子宮内に注入して内膜を活性化することで、胚がより着床しやすくなります。
ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(PICSI)
ヒアルロン酸に付着する精子を選ぶことで、成熟した精子を得て顕微授精を行います。
膜構造を用いた生理学的精子選択術(ZyMōt)
特殊な膜を通過した精子を選んで、最適に機能する運動性の高い精子を選択して顕微授精を行います。
二段階胚移植術
初期胚と胚盤胞を同一周期に胚移植して妊娠率を上げるものです。双胎妊娠になる可能性があります。

卵子凍結

卵子凍結とは、卵巣から採取した卵子を将来の妊娠に備えて凍結保存することを卵子凍結と言います。

  • 目的

    • (1)メディカル(医学的適応)な卵子凍結

      がんや自己免疫疾患の場合に、手術療法や化学療法、放射線療法が影響し卵子の質や数が減少する場合があります。治療前に卵子を凍結し、治療が終了したら卵子を融解して妊娠することを目的とします。

    • (2)ノンメディカル(社会的適応)な卵子凍結

      健康な女性でも、卵子は年齢を重ねると質と数が低下します。今はキャリアを積んでいるなどの社会的理由で妊娠を希望しない場合、あらかじめ若い時に卵子を凍結しておき、将来妊娠を計画する時に、卵子を融解して妊娠することを目的とします。
      以下、当院が行っているノンメディカルな卵子凍結について説明します。

  • 対象

    • 凍結時の年齢:18歳以上(成人年齢)から43歳未満

    • 卵子融解時の年齢:50歳未満

  • 具体的な方法と流れ(体外受精の流れに準ずる)

    1. ・多数の卵子獲得を目的として、調節卵巣刺激を行います。

    2. ・十分に卵胞が発育したら、卵子成熟を促すトリガー製剤を使用後、36~40時間後に静脈麻酔または、局所麻酔を用いて採卵を行います。

    3. ・成熟卵であることを確認後、液体窒素を用いて卵子凍結を行います。

    4. ・妊娠を希望する時はパートナーの意思を確認後、顕微授精を用いて受精・培養・胚移植を行います。

  • 知っておいてほしいこと

    卵子を凍結しておけば、将来、必ず妊娠できるわけではありません。
    凍結した卵子から妊娠成立、出産に至るまでには、 ①卵子が正常に融解される ②精子と受精して受精卵になる ③胚まで分割する ④着床する ⑤流産などをしないことが必要です。 ①の確率は86%〜97% ②の確率は71〜79%  ④の確率は17〜41%で最終的に卵子1個から児を得る確率は4.5%〜12%で高くはありません。
    (日本産科婦人科学会「ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ」より)

    <留意点>

    母体の年齢が上がることで、周産期の合併症、例えば妊娠高血圧症、妊娠糖尿病や流早産、分娩時異常出血、帝王切開の率が高くなります。母体年齢の上昇は、母児双方にとってリスクが上昇する事を理解しておくことが非常に大切です。

  • 副作用

    • (1)卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

      排卵誘発剤により腹水や胸水が貯留し、血液が濃縮される卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を生じる場合があります。重症の場合、肺血栓塞栓症や脳血栓などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。OHSSの徴候が認められる場合には医師の判断により採卵をキャンセルする可能性があります。場合によっては入院を要することもあります。

    • (2)出血

      腟壁を穿刺する際に出血をすることがあります。通常は圧迫のみで止血しますが、大量出血、止血困難な場合は縫合止血する可能性があります。また、卵胞穿刺の際、卵巣だけでなく子宮を穿刺する必要がある場合があります。子宮や卵巣からの出血が多い場合や、隣接した血管の損傷等が発生したときには腹腔内出血として輸血を必要としたり、開腹して止血術を行わなければならないことがあります。
      以下、当院が行っているノンメディカルな卵子凍結について説明します。

    • (3)感染、他臓器損傷

      卵胞穿刺の際、まれではありますが穿刺した卵巣が感染し膿瘍を形成し、重篤化することで骨盤腹膜炎などが発症することがあります。また、膀胱、尿管、腸管の穿刺∕損傷による感染がおこる可能性があります。これらの治療のためには入院を要し、場合によっては手術が必要になることがあります。

  • カウンセリング

    ご希望の患者様には本治療などに関してカウンセリングを行っています。当院の生殖医療専門医と不妊カウンセラーが本治療を行う上での患者様の疑問にお答えし、医師、患者様双方が納得の上で治療を進めることができるよう説明する機会を設けています。カウンセリングを受けることをお勧めします。

  • その他

    凍結卵子は他人に譲渡・売買することはできません。
    自治体(東京都など)によっては、卵子凍結の費用に助成金を出したり、企業の中には福利厚生として卵子凍結の費用を負担するところがあります。
    日本産科婦人科学会のHPにある「ノンメディカルな卵子凍結」の動画視聴やポスターも参考にしてください。
    詳しくはこちら

凍結胚・凍結卵子・凍結精子の保存延長・破棄のお手続きについて

〈保存期限満期の凍結胚は、保存延長か破棄のお手続きが必要です〉
毎年、凍結胚保存終了月内までに、ホームページ上から凍結胚保存延長同意書、もしくは凍結胚廃棄同意書をダウンロード・印刷をして、ご自身で手続きをお取りいただく必要がございます。
〜お手続きの詳細〜
  • 遠方にお住まいの方や、必要書類のダウンロードや印刷ができない環境の方は、当院にお電話
    (TEL:029-863-6111)にてご連絡願います。
  • 保存延長に関する当院からの電話や書面による連絡は、一切行いませんのでご注意願います。
  • 音信不通や延長料金のお支払いが確認できない場合、保存期間延長の意思が無いものとみなし、凍結胚を破棄させていただきます。その際、当院に対しての異議申し立ては一切受け付けません。
  • お支払い、凍結胚についてのお問い合わせは、診察時間内にお電話にてお願いいたします。
    凍結胚について
    • 〈保存延長をご希望の方〉

      保存延長を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結胚保存延長同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、凍結保存期限月内に来院してください。
      例1 2022年4月10日に胚凍結した場合は、2023年4月1日~4月30日の期間にご来院ください。
      例2 2023年5月26日に胚凍結した場合は2024年5月1日~5月31日の期間にご来院ください。
      なお、凍結胚の最長保存期限は5年となります。5年を過ぎても保存の継続を希望される方は、満期前に診察時間内に予約を取ってご来院の上、医師に相談してください。

    • 〈凍結胚の破棄をご希望の方〉

      凍結胚の破棄を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結胚破棄同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、凍結保存終了月内までに、当院宛に郵送してください。

      【郵送先】〒305-0032
      茨城県つくば市竹園1-6-1 つくば三井ビル4階 つくばARTクリニック宛

    凍結卵子について
    • 〈凍結卵子保存延長同意書〉

      凍結卵子保存延長を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結卵子保存延長同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、毎年凍結保存期限月内に来院してください。
      なお、凍結卵子の最長保存期限はご本人の年齢が50歳未満までです。

    • 〈凍結卵子破棄同意書〉

      凍結卵子破棄を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結卵子破棄同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、凍結保存期限月内に来院してください。
      なお、凍結卵子の最長保存期限はご本人の年齢が50歳未満までです。

    凍結精子について
    • 〈凍結精子保存延長同意書〉

      凍結精子保存延長を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結精子保存延長同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、毎年凍結保存期限月内に来院してください。
      なお、凍結精子の最長保存期限は5年となります。5年を過ぎても保存の継続を希望される方は、満期前に診察時間内に予約を取ってご来院の上、医師に相談してください。

    • 〈凍結精子破棄同意書〉

      凍結精子破棄を希望される場合には、以下のボタンをクリックして、「凍結精子破棄同意書」(PDFファイル)をダウンロードしていただき、印刷、および自筆署名のうえ、凍結保存期限月内に来院してください。
      なお、凍結精子の最長保存期限は5年となります。5年を過ぎても保存の継続を希望される方は、満期前に診察時間内に予約を取ってご来院の上、医師に相談してください。